hochreines Eisen

鋼とは鉄を主成分にする合金の総称です。炭素含有量が0.0218~2.1%の範囲にあるものを鋼といいます。ちなみに炭素含有量0.0218以下を鉄と呼び、炭素含有量が2.14以上のものを寿鉄と呼びます。

炭素(C)はわずかな量で鉄の諸性質に大きな影響を及ぼす貴重な元素です。鋼は炭素量が多い程、焼き入れした時に硬くなる性質を持ちます。炭素鋼、合金鋼を含めて、焼き入れ硬度は、炭素量で決まるといえます。

鉄は炭素量と温度によりさまざまな組織をとります。低温で安定なフェライト(体心立方包丁の構造)と、高温で安定なオーステナイト(面心立方包丁の構造)の2つの結晶包丁の構造があります。これらが混じり合って、様々な組織包丁の構造を作り出します。その組織包丁の構造が鋼の硬さなどを決める上で重要な役割を果たしています。

包丁の製造過程で見られる焼入れでは、加熱することで、鋼がオーステナイトと呼ばれる組織に変わります。この状態から急冷することによって、マルテンサイト組織が得られます。このマルテンサイトの組織構成は、オーステナイトが炭素を固溶したままの状態で体心正方格子を取り、非常に硬い包丁の構造になります。しかしそのままでは、非常にもろい状態であるため、もう一度、低温の炉に入れ、空気中でゆっくりと冷やします。この工程を焼き戻しといいます。焼戻しマルテンサイトにすることで、粘りがでます。

 

 

フェライト相

(ferrite)は、純度100%の鉄において911℃以下の温度領域にある鉄の相(組織)のことをいいます。この領域において、鉄は体心立方格子包丁の構造をとります。フェライトは、0.0218 % までの炭素を固溶でき、この最大溶解量の値が、鉄と鋼の分かれ目となります。770℃までは強磁性体で、770℃を超えると常磁性体に変化します。

 

オーステナイト

(austenite)とは、純度100%の鉄において911℃~1392℃の温度領域にある鉄の相(組織)ことをいいます。この領域において、鉄は面心立方格子包丁の構造をとります。非磁性体。オーステナイトは、1147℃で最大溶解量2.14 %までの炭素を固溶できます。この値が、鋼と鋳鉄の分かれ目となります。炭素は、面心立方格子包丁の構造の中に侵入型で固溶しています。炭素含有量が増加すると、オーステナイト領域の温度範囲が上下に広がります。これは、炭素を固溶することによって、オーステナイトが熱力学的に安定するためです。

 

マルテンサイト

(martensite)は、Fe-C系炭素鋼を、安定なオーステナイトから急冷する事によって得られる組織。ドイツの冶金学者アドルフ・マルテンス(Adolf Martens)が発見したため、この名称がつきました。 マルテンサイトの組織構成は、オーステナイトが炭素を固溶したままの状態で体心正方格子を取る構成で、炭素を含有する鉄合金では組織は非常に硬い層組織です。

 

ステンレス鋼

刃物鋼としては、炭素鋼に13%以上のクロム(Cr)を混ぜたものをステンレスと呼びます。ステンレス鋼は、含有するクロム (Cr) が空気中で酸素と結合して表面に不動態皮膜を形成するので、錆びにくくなります。

 

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